最終章(5) 水さえ飲めない!

 
拘束にも慣れた、が

一度目の入院のように
ギャーギャーわめいたり
歌を歌ったりはしなかった。

慣れたものでそんなことしても
状況は変わらないと
わかっていた。
ただ、手さえも
拘束されていたので
水すら満足に飲めない
のがはがゆかった。

たまに来る看護師に
「お願いします、
水を飲ませてください」
と言ったときは
物乞いにでも
なったような心境だった。

俺は水も満足に飲めないほど
落ちぶれたのか。と
情けなくて涙した。

それを見た看護師の方が
ストロー付きのこぼれない
コップを持ってきてくれて
好きなだけ飲んでいいよ、と
飲ませてくれた。

「手まで拘束するなんて
そこまでしなくても
いいのにね。大丈夫、
徐々に外れていくから。」
その同情がうれしかった。

三日、四日と経つうちに
徐々に拘束は外されていった。
何度か父も兄も見舞いに来てくれた。

なぜか水を飲む量を制限されて
意味が分からずムカッとした。

入院五日後くらいか。
回診のドクターが来て、
俺は紙とペンを使う
許可を求めた。
その頃俺は何かを
書くことが好きだった。

ペンは凶器にもなるから、
少し警戒していたようだが
何とか許可が下りた。

ノートに久しぶりに
文字をかけることが
とてもうれしかった。
これぐらいのことが
うれしいと思うのだから
精神病院とは恐ろしい。

入院から一週間、
やっと主治医の医師と
話すことができた。

興奮状態もおさまったので
拘束完全解除と言われた。
ようするに病棟内では
自由ということだ。

不自由な思いをさせて
すいませんでした、と
主治医はあやまった。
少し好感度が上がった。

解放されて最初に
やったこと。
タバコを吸った。
喫煙者にしか
わからないだろうが
わかりたくもないだろうが
久しぶりのタバコは
本当にうまい。頭が
くらくらする感じもいい。

そういう感じで普通の?
入院生活が始まるが
けっこうな大変な日々になる。

まあ今までの経験と
比べたら大したこと
じゃないが、
辛いものは辛い。

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