【短編小説5】RUN!GO!RUN!・熱中疾走

 
果てなき10キロ
 
 
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俺はマラソン大会に出ることに
決めた。理由はなんだろう。
よくわからない。まあいいや、
走りたいからだ。

大会に申し込んでから3ヶ月、
俺はトレーニングを重ねた。
何かが憑いているかのように、
がむしゃらに走った。

大会当日、万全な状態で
迎えることができた。

「お兄ちゃん、ファイトだよ、
がんばってね⭐」
妹たち家族が応援に来てくれた。

大舞台、ではないが
ベストを尽くす。

時間が来る。
俺はスタート地点に行く。

しかし一般枠での出場で、
周りは人がいっぱいの
すし詰め状態。まずは
ここから脱しなければ。

そして10キロコースのスタート。

俺はまず走ると言うより、
人ごみをすり抜けることから
始めることになった。

少ししたら人も少なく
なってきた。
ここからが本番だ。

速く走り過ぎず、遅すぎず、
俺はふだんの練習で、自分の
ペースをつかんでいた。

大会にはいろんな人がいるもんで、
ぜいぜいとはやくも
息たえだえの人や
ウサギの着ぐるみを着て
走っている人がいた。
暑いのに大変ですね🐰

いやいや、
そんなことにかまってられない。
俺は一人、二人とどんどん
抜いていった。

最初は余裕があった俺だが、
やはり折り返し地点くらいから
しんどくなっていった。
マラソンは、当たり前だが
キツイ競技だ。

もうそろそろあと2キロ位かな、
と思ったら、残り4キロの
看板が。軽く絶望。

そりゃ軽いランニング程度の
10キロなら大したことないさ。
でも大会に出るなら、できるだけ
順位をあげたいと思う。

スピードを上げつつ走るのは、
思った以上にキツかった。

やがてスタート近くの公園まで
戻って来た。やっと終わる、
もうすぐ終わる。

ラストスパート。最後の力。
なにも考えられなかったが、
何人か抜いた気がする。

そして…ゴール。俺は
力尽き、疲れ果て、座り込み、
渡されたポカリをゴクゴク飲む。

この時感じたのは
充実感ではなく、
長い試練だった、と
もう二度と出たくない、だった。

気になる順位は、参加者の数の
真ん中よりやや上だった。
充分満足だ。

家族の祝福。感激屋の妹は
泣いていた。

10キロ完走。このことは
俺にとって自信になった
だろうか。よくわからん。

ただ、全力で何かを成し遂げる
というのは、悪くない。
そう、思った。

     完

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