【短編小説3】GTKの多難・教育思想

 
伝説の教師?
 
 
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俺はとある中学校の
教師をやっている。
名前は金沢。

教師という職業は
大変だ。生徒たちの
トラブルはもちろん、
生徒の親の苦情などにも
対処しなくてはならない。

教師生活まだ5年。
その間も、いろいろあった。

俺は生徒たちのあいだで、
GTKと呼ばれているらしい。

グレートティーチャー金沢、
ではなく、GTOというマンガで
有名な鬼塚英吉のように、
腕っぷしは強いが短気、そして
金八先生のように
ずんぐりむっくり。
GTに金八のK。GTK。

伝説の教師の悪いところだけを
合わせたようなあだ名だ。

まあ色々言いたいことはあるが、
GTKという一見すごい教師に
思えるあだ名。別にいいかな、と
思っている。
俺は単純なのだ。

ある日、俺のクラスで
事件があった。

「せんせー!大変だ!
三沢と谷がケンカしてる!」

三沢と谷は俺のクラスの生徒で
二人とも力が強く、
あまり仲がいい感じではなかった。
不満がついに爆発したか。

教室に着くと三沢と谷の顔は
鼻血やらあちこちはれてたりで
大変だった。

「コラ!お前たち、もうやめろ!」

タイミングが悪かった。
二人のあいだに割って入った時に
ちょうど三沢と谷の渾身の
ストレートが。

二人の拳は俺の両ほほに
当たる。俺は倒れる。

二人も教師を殴ってしまった
ことで我に返る。
三沢と谷は血の気が引く。

俺は起き上がる。両ほほは
おたふく風邪のように
ぷっくりふくれ上がっている。

「お・ま・え・ら~!」

俺は二人の首を腕で
ヘッドロックする。
かけつけた他の教師たちが
止めに入る。
そのときには三沢と谷は
すでにグロッキー状態だった。

「全く、ケンカの仲裁どころか
逆にやっつけるなんて!
あなたには教師としての
自覚はあるのですか!」

現在、教頭先生の
お説教中。ダブルパンチの
お返しのダブルヘッドロック
ですよ、と言いたいが
さすがに言えない。

「とにかく、ケンカの理由と
原因を二人に聴きなさい!
そのあとご家族へ謝罪に
行きます!」

家族への謝罪の時にまた
ひと悶着ある。それはまた
別のお話。

放課後、教室で、三沢と谷に
話を聞く。

三沢「先生、ごめんなあ。
教師なぐったら、やっぱり
退学かなあ?」

谷「……すいませんでした。」

「安心しろ、三沢。谷。あれは
事故みたいなもんだ。それに
俺もやっちまったから
おあいこだ。それよりも」

俺は二人の話を聞く。

三沢「こいつ、ムカつくんだよ。
いつもいつもガンつけて
きやがる。それでさっき
肩がぶつかっても
あやまんねーからそれで…。」

谷「生まれつきこういう
目つきなんだよ。文句
あんのか?」

三沢「ああ!?」谷「なんだよ?」

「やめなさい。そんなことで
ケンカしたのか?せっかく
クラスメイトになったんだ。
仲良くしないか?」

二人はムスッとして黙る。

「ところで、三沢、谷。今現在、
日本の人口は何人くらいか
知ってるか?」

三沢「なんだよ、急に。でも
それくらい知ってるよ。
一億人だろ。」
谷「一億二千万だ、バカ」

またケンカになりそうになるのを
なだめる。

「まあ、キリのいいところで
一億人としよう。一億人って
言っても、多すぎてよくわからん
よな。一万人が一万組いると
言うとわかるか?
10000×10000」

三沢「う~ん、わかるような…。
めちゃくちゃ多いのはわかる。
っていうか、今何でそんな話
するんだ?」

「まあ、こっからが大事なんだ。
こんだけいっぱい人がいて、
同じ国で生まれ、同じ地域で
生活し、同い年で、同じ学校に
通って、そしてクラスメイトに
なった。それって、すごい
ことだと思わんか?」

三沢はうーん?といった顔で、
谷は感銘を受けているように
俺には見えた。

「クラスメイトになるってのは
奇跡みたいなもんだ。だから、
その出会いは大切に
しなきゃな、ってのが先生の
意見だ。以上。」

我ながらいいことを
言ったように思う。まあ、
実は俺の恩師の言葉の
受け売りだが。

これで二人がいがみあうのを
やめてくれたらいいが。
できれば仲良くなってほしい。
それが理想だ。

そして数日後。

「せんせー!また
三沢君と谷君が
ケンカしてるー!ついでに
森崎君がまきぞえ
くらってるー!」

やれやれ。そう簡単には
いかないか。まったく、
人を相手にする仕事は
むずかしい。

GTKの多難は、
まだまだつづく。

    完

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