【短編小説1】1ミリの勇気・恋愛観測

 
その壁を破りたい
 
 
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僕は恋をしている。

同じクラスの双葉さんという
女の子。

彼女はいつも笑っていて
明るい性格だった。

でも、たまに、ふと
表情に暗い影が
みえることがある。

その物憂げな表情に、
僕の心はうばわれた。

その表情に気づいているのは
僕だけだろう。というか
そうであってほしい。

彼女のその影はどこから
来るのだろう。僕は
それを知りたかった。

そしてある日、僕は
告白された。

相手は双葉さん、ではなく
幼なじみの女の子。僕は
その子をカッコ、と
呼んでいた。

カッコはいつもと違い
敬語で、
「わ、私と付き合ってください!」
とふるえながら言った。

その時、僕の頭に
双葉さんの顔が浮かぶ。

「…ごめん。」

カッコは涙目で言う。
「そっかあ、ダメかあ、
うすうすわかってたけどね。
好きな人、いるの?」

「うん。だから、ごめん。」

「そんな何度も
あやまんなっつーの!
メンタル強くないんだから!」

そしてカッコは振り返り
歩き出す。そして、
「明日からもフツー
よろしくね!」
こっちを見ずに言った。

その日の夜、眠れなかった。
頭の中には二人の女の子。
カッコと双葉さん。

僕は双葉さんに恋しながらも
きっと何も言えずに
やがて離れていくんだろうな、
と思っていた。

  告白。

それは僕にとって、いや
誰にとってもそうだろう、
とても勇気がいることだ。

1ミリの薄い壁を想像する。

その壁はきっともろい。
なぐれば壊れるだろう。

でも痛いだろうな、
傷を負ったらどうしよう。
怖い。

でもカッコはそれを破った。
勇気で壁を壊した。
そしてその手は傷ついた。

男の僕ができなくてどうする!

僕は決心した。
やわなこぶしを握りしめて、
壁を壊すことを。

頭の中には物憂げな顔の
双葉さんだけが
いた。

   完

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